為せば成る、為さねば成らぬ、何事も

ヨルダンのパレスチナ難民キャンプの小学校にて音楽を教えてました。

黒本日記15 BEATRICE AND BENEDICT OVERTURE

さてさて本日はBEATRICE AND BENEDICT OVERTUREである。

黒本の邦題は「ベアトリス」になっているがセッションだと英語読みのベアトリーチェと呼ばれてることが多い印象。

 

セッションだとあまりやることは多くない印象だったけど山梨に来てからはお目にかかることが多い。

やっぱり頻繁に演奏されるセッション曲の地域差みたいなものはあるよね。

 

 

Fuchsia Swing Song

Fuchsia Swing Song

Amazon

参考音源としてはまずサム・リヴァース。

これがオリジナルになるのかな。

ピアノはジャッキ・バイアード、ベースはロン・カーター、ドラムスはトニー・ウィリアムズ。

黒本の譜面もこのオリジナルを元に書かれていると思われる。

 

ギター音源でカッコいいのはサム・ウィルソン。

2020年に出たアルバムなので結構最近出てきたカナダの女性ギタリスト。

なかなか女性でジャズソロギターというのは珍しいがしっかりと王道を突いてくる渋いギタリスト。

 

曲の構成は16小節1周のコンパクトな構成。

12〜13小節のリズムがキメになってるので予習なしだと上手く行かない楽曲。

 

コード進行も独特で浮遊感が漂う。

ドミナントが11小節目のA7しかないのだ。

 

キーはFとFm

2小節目からいきなりG♭M7というコードに面食らう。

♭ⅡM7は9thを加えてRootを省略するとⅣm7(B♭m7)になるのでサブドミナントマイナーの代理コードである。

4小節目のE♭M7も同じような考えで平行調Dmの♭ⅡM7と考えることができる。

よってサブドミナントであるGmの代理コードとして捉えることができる。

 

あとはシンプルなダイアトニックコードが中心となる。

この曲のキモは♭ⅡM7にあると思うのでそこをどう料理していくかが腕の見せ所になるだろう。