今回の黒本日記はBEAUTIFUL LOVEである。
ぼく個人としてジャズ・スタンダードの中で一番好きな曲だ。
ビューティフル・ラブというタイトルながらにマイナー調でけして明るくはない。
美しさというものは儚さに宿るのかもしれないなんてことを考える。
この手のボーカルものは歌詞も知りたいなと思って「ジャズ・スタンダード・バイブル FOR VOCAL」を購入した。
黒本の全ての曲が掲載されているわけではないが主要な曲の歌詞が譜面と共に掲載されている。
このBeautiful Loveももちろん掲載されている。
歌詞の最後にあるように"Beautiful love, will my dreams come true?"とやはり美しい恋はまだ実っていないのだ。
むしろ、実る可能性も薄く、それでも望むことがBeautiful Loveなのだろうかとか考える。
昔、好きだった人がBeautiful Loveは既婚者相手の不倫なんじゃないかって言ってた。
そう思えば環境が許さずとも、それでも相手のことを愛すると言えることは美しい愛なのだろかとも考える。
さて、そんなきっかけで好きになったこの曲であったがそのピアニストであった彼女に勧められたのはミシェル・ぺトルチアーニとジム・ホールの演奏だ。
何度もこの日記でジム・ホールは触れているがやっぱり良いのだ。
けして気を衒っているわけではないが琴線に触れてくるソロ。
10年以上聴いているが飽きることのない名演である。
さて曲の構成としてはABAC。
キーはDm。
セクションAはDmに向かうツー・ファイブとFM7に向かうツー・ファイブである。
8小節目はアドリブの時はEm7(♭5)と書かれているが別にテーマ時と同じDmに無角ツー・ファイブでも良いだろう。
セクションBのB♭7はA7に向かう裏コード。
G7はⅣ7なのでサブドミナントの7度がブルーノート的に訛ったと考える。
セクションCの最後も裏コードで落ちていくだけ。
基本的にメロがコードトーンなのでソロギターぽくもしやすい。