本日は「AUTUMN IN NEW YORK」
ニューヨークの秋である。
やっぱり音源としてはデクスター・ゴードンを紹介しないわけにはいかない。
もちろんコルトレーンの演奏も必聴なのでけれども如何せんこの曲は映画「ラウンド・ミッドナイト」の印象が強いのだ。
映画ラウンド・ミッドナイトの中でデクスター・ゴードンが演じるデイル・ターナーがゴミ捨て場の中でAUTUMN IN NEW YORKを吹く。
そこで「歌詞を忘れたからこれ以上は吹けない」というセリフがずっと自分の中に残っている。
ジャズを楽器でやる身としてはどうしても歌詞は二の次で意識はしないのだけれども元々は歌があって歌詞があるものであることに気づかされる。
ぼくはテーマをきちんと歌えているのだろうか?
コード進行があってそこにあったアヴェイラブル・コードノート・スケールを並べるだけがジャズではなくてAUTUMN IN NEW YORKを演奏するときのその曲のアイデンティティは何なのかを考えさせられる。
といいつつ僕はギタリストなのでやっぱりギター音源は紹介しておきたい。
ケニー・バレルが演奏したものがある。
ソロギターとしても成り立つメロの取り方はコピーの価値ある演奏だと思う。
ソロにおいてもバラードにおけるギターの音の詰め方は非常に参考になり、非常に教科書的なソロだ。
曲の構成はABACだ。
コード進行としてAセクションは
23451234と1~4小節がはじまる。
大きなギミックはなく1~6小節目まで進行し、BのGm7に進むように7~8小節はセカンダリードミナントに向かう。
Bセクションは1~2小節はサブドミナントからのサブドミナントマイナー。
3小節目は♭ⅢM7なのでFmの同主調への一時転調。
5小節目のCm7はⅤm7なのでこちらも転調が続いてると考えてよいが7小節目がCM7なのでCmとCにそれぞれ転調してると捉えてもいいのかもしれない。
Cセクションは完全にFmに転調している。
曲全体を通してFとFmの転調を繰り返してるのだ。
基本的にはゆっくりのテンポで演奏するので冷静にチェンジを感じながら歌うようなソロを組み立てるのが良いのかもしれない。