為せば成る、為さねば成らぬ、何事も

ヨルダンのパレスチナ難民キャンプの小学校にて音楽を教えてました。

黒本日記6 ALL OF YOU

本日はALL OF YOUです。

 

前回扱ったALL OF MEは失恋の歌詞だったのに対してALL OF YOUはあなたの全てが欲しいという求愛のラブソング。

ALL OF MEがメジャー調であったのに対してALL OF YOUはマイナー調なので印象はちょっと逆に感じるかも。

 

セッションだと圧倒的にALL OF MEの方が演奏される。

ALL OF YOUはバラードになりがちなのでジャムセッションだとあまり好まれないかもしれない。

 

またもやマイルスが演奏している。

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ギターだとケニー・バレル。

キーはDで演奏してる。

ケニー・バレル

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黒本に掲載されてる譜面はE♭だが初っ端からA♭m6で始まるので単純にE♭で捉えると痛い目に遭う。

Aセクションのコードは以下の通り。

A♭m6 E♭M7  Fm7(♭5)    B♭7(♭9)

A♭m6 E♭M7  Fm7(♭5)    B♭7

 

7−8小節目はマイルスだとGm7-C7で演奏しているが今回は上記の進行で考える。

 

A♭m6-E♭M7はサブドミナントマイナーケーデンス。

A♭m6の3度がE♭M7の5度に半音で進行する。

想定するスケールはA♭ドリアンとE♭イオニアン。

 

Fm7(♭5)-B♭7(♭9)はマイナーのツーファイブ。

キー=E♭であればB音はフラットするがこの表記の通りテンションも含めて進行するとE♭M7以外はBのナチュラル音が存在するのでここがミソだと思う。

 

Bセクションは以下の通り

E♭6/G G♭dim Fm7 B♭7

E♭M7 D7 Gm7(♭5)/D♭ C7 Fm7 B♭7

 

それぞれのFm7 B♭7はツーファイブなのでまあいいとしてその前が厄介。

G♭dimはF7(♭9)と捉えておくと組み立てやすいかもしれない。

もちろん、パッシングディミニッシュとして考えるのもありだろう(僕はディミニッシュはセブンスで捉えた方がソロ作りやすい)

Gm7(♭5)/D♭ もルート考えず上だけ考えてれば結局ツーファイブが続くだけと理解できる。

 

A’は最後2小節だけAと異なりGm7-C7となる。

Cの冒頭のA♭M7=Fmと捉えらればこちらもツーファイブだということがわかる。

そこからもまたキーであるE♭に向かってツーファイブの連続だ。

 

一見複雑そうに見える曲も紐解いていくとそこまで難しくはない。

テーマのメロディ自体そこまで臨時記号が出てくるわけではないのでシンプルなメロディに対しての拘りのハーモナイズを感じられる一曲である。