為せば成る、為さねば成らぬ、何事も

ヨルダンのパレスチナ難民キャンプの小学校にて音楽を教えてました。

ラマダーンと音楽

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ヨルダンでは5月6日よりラマダーンが始まりました。

およそこれから1ヶ月の間ラマダーンが続きます。

 

ラマダーンはある種の儀式でありますがある種のお祭りのような側面もあり街中は様々な飾り付けなどがなされています。

 

ラマダンの期間中においては日中に以下のことが禁止されています。

 

・飲食

・喫煙

・性交

・悪口

 

たまに勘違いしてる人がいるのですが「一日中」ではなく「日が昇ってから沈む」までになります。

ヨルダンでは大体午前4時半から午後7時半くらいになります。

およそ15時間も上記のことが禁止されます。

 

全ての人が断食を行っているかというとそうでもなくて以下の人はムスリムだとしても飲食を許されています。

 

・妊婦

・旅行者

・生理中の女性

・高齢者

・乳幼児

・病人

 

子どもたちに関しては個々によって違うようで15歳くらいはまちまちのようです。

自分の周りの子どもたちも断食を大人と同じようにしている子もいれば断食をしていない子もいれば時間を限定しての断食をしている子もいました。

子どもたちの中では友達同士で「オレは断食してるからねー」なんて食べてないかどうかが話題になっていたりと中々に見ていて微笑ましいものがあります。

 

断食している子どもたちももっとグッタリとしてるのかと思えば普通に外で走り回っていたりとやっぱり子どもってすごいなと改めて思い知らされます。

 

一方で普通にお菓子を食べてる子たちもいたりして、平時のように大人に「はい」って分けるというトラップが存在します。

ぼくはそれで学校内でお菓子口にして「あー、食べたー!」っていうのをやってしまいました笑 

 

ラマダーンと音楽

自分として一番気になっていたのはラマダーン中は音楽が禁止なのかどうかということ。

 

というのも事前にラマダーン中に音楽はできるのかということに関していろんな人に尋ねて見たのですが「ダメ」と言われたり「気にしなくていい」と言われりと答えがまちまちだったのです。

 

というわけでラマダーンが始まって1週間経つのですが自分が過ごした実感を書いておこうと思います。

 

 

街中に関して

日中に関しては音楽を外で耳にすることはなくなりました。

普段だと爆音で音楽を流しながら走る車とかもいるのですがそういった車も見なくなりました。

お店の中でもBGMとして聴くことが今のところありません。

欧米系のお店とかが入っているモールにはまだ入っていないのですがもしかしかするとそう言ったお店でも流れていないかもしれません。

 

夜に関しては普通に耳にするようになりました。

飲食店に入ればBGMとして流れていました。

 

ライブやコンサートに関してはやはり日中には見ることがなくなりました。

日没後は普通に行っているお店も多く、ぼくのバンドのリハも日没後にやっています。

 

授業に関して

一番気になっていたのがこの期間に授業ができるのかということでした。

 

結果を先に書くとラマダーン中でも音楽の授業は出来ています。

 

同僚に尋ねた時には「音楽が禁止というのは歌詞に恋愛や汚い言葉が多いものが多いから禁止と言われてるのだと思う」とのことでした。

 

少なくとも子どもたちに扱ってる歌は恋愛も悪口もないので普通に実施してみんな歌っております。

 

とはいえ少数ですが「ラマダーン中は音楽はダメだ」という先生がいたりして授業が出来ないクラスもありました。

 

あとは純粋に試験の時期が近いのでそういう意味での音楽の授業がなくなってしまうクラスもありました。

 

中々全ての子どもたちに均等な音楽の授業の機会を与えることの難しさは日々実感しています。

 

終わりに

ラマダーンに関しての感覚はやはり人によって重きが違ったり柔軟性も違うんだなという実感をしてます。

 

ぼくの同僚はFacebookのぼくの友達一覧から可愛い女の子を探すということをやって他の同僚たちから「おい!やめろ!ラマダーン中だぞ!ハラームだ!」なんてやり取りをしています。

 

ラマダーンのノリが思ったより軽かったりします。

 

やっぱりよくわからない。

 

でも、この「わからない」って感覚はとても大事で「わかったつもり」になる方がよっぽど怖いことなのだと思っています。

 

この「わからない」って感覚はこれからも自分の中で大切にしていきたいと思っています。

 

そんなかんじ。