3月30日はパレスチナの人々にとっては「土地の日」として特別な日である。
子どもに「3月30日は何の日?」と尋ねてもちゃんと「土地の日」と返ってくるのでやはり特別な日なのだろう。
土地の日のことを調べてみようと思ってネットで検索したりしてみたけどあまり日本語の資料は見つからなかった。
Wikipediaにおいても英語の記事はあるけれども日本語の記事は無い。
英語の記事をから土地の日の起源を要約すると以下の通り。
1976年3月30日、ガリラヤ地方のパレスチナ人の土地がイスラエルによって接収された。
それに対して行われた抗議デモにおいてパレスチナ人6人がイスラエル軍によって殺害されるという事件が起こった。
この事件を受けて、イスラエルに対する抗議とパレスチナ内外におけるパレスチナ人の連帯を訴えるために3月30日は「土地の日」となりアラブ世界各地で連帯集会が行われたりしている。
昨年の2018年3月30日にはハマースがイスラエルとガザの境界地帯で「土地の日」にあわせてパレスチナ難民の帰還のための大行進を行い、イスラエル軍の銃撃でパレスチナ人15人が死亡し、1700人以上が負傷する事態となった。
そんな特別な日が近づいているということで今週は全てのクラスにおいてパレスチナの事実上の国歌でもある「我が祖国(Mawtini)」を扱うことにした。
Wikipediaで歌詞を見ることができるが正直言って小学生低学年が扱うには難しい単語である。
一応歌詞は板書しておく。
ところがやはりパレスチナの人々にとっては特別な曲のようで歌詞を覚えている子は多かった。
日本の学校と違って国歌を何かの折に歌う習慣が無いのに歌を覚えているというのは不思議なものである。
さらにいえばパレスチナ自治政府によって国歌として定められているのは「革命者」という曲なので尚更だ。
やはり彼らにとっては特別な曲であるように同僚からも事あるごとに「Mawtiniは弾ける?」と聞かれたものだ。
今回は「歌詞難しいから僕も一緒に勉強したいな」というスタンスでやらせてもらっている。
一人ではとてもこの歌詞の発音などを処理はできないので同僚の助けも必要である。
自分だけでやりっぱなしにならないためにも出来るだけ現地の曲を扱うというのはやはり良いと感じた。
今まで扱った曲と違って弱起の曲であるため予備拍に関して意識させるよいチャンスでもあった。
がやはり弱起は難しいようで一斉に歌うと中々出だしが合わない。
これは練習が必要だと感じた。
とはいえこの曲を扱った反応は教師・生徒共に非常に良いため来週以降も継続して扱っていっても良いかもしれない。
今週は歌詞を1番のみしか扱わなかったが来週以降は2番・3番も扱っても良いかもしれない。
そのためには僕自身の予習も必要となるので頑張らなくてはいけない。
大変なことは多いが彼らにとって特別な曲を共に歌わせてもらったり演奏させてもらえることは素直に嬉しい。
祖国から理不尽な力によって離れること、戻ることのできない祖国を想うことというものがどんなものであるかはぼくには想像することしかできない。