為せば成る、為さねば成らぬ、何事も

ヨルダンのパレスチナ難民キャンプの小学校にて音楽を教えてました。

フレールジャック

今週から歌をしばらく取り扱うことにした。

 

今までリズムアクティビティや鑑賞など色々やってみたが「歌う」という行為が一番こちらの生徒や先生にとって「音楽らしい」活動であるという実感を得た。

 

確かに結果を求める現地の先生からしてみたら発表会などを開く際にわかりやすく「音楽」しているのはやはり「歌」なのだなという実感がある。

 

もちろん、ピアニカやリコーダーなどの器楽も「音楽」らしさはあるのかもしれないがそちらに関しては現状としての生徒のレベルや環境を考えたときにいきなり実施するのは難しいと思うのでまずは出来ることから一歩ずつである。

 

 

 

ということで今週は「フレール・ジャック(Frère Jacques)」を歌ってみることにした。

フランス語の原題で書くとちょっとカッコイイがいわゆる「グーチョキパーで何作ろう?」である。

 

前の先輩が残していってくれた曲集の中にこの曲の楽譜とアラビア語歌詞があったのでこちらを使ってみることにした。

ちなみにアラビア語でのタイトルは「حان الدرس」である。

 

本来であれば学年によって教材は変えるべきなのだろうがまだ学年による能力の違いというものが把握しきれていないためしばらくは全てのクラスで同じ楽曲を扱っていく。

 

もちろん、後述するが学年によって出来ることや反応も違うので取り組み方には多少の変化をそれぞれつけていく。

 

授業の流れ

まずはどのクラスにおいても自分で弾き語りをして曲を示す。

 

短い楽曲でもあるので同じ歌詞で2週ほどする。

 

その後で歌詞をホワイトボードに書く。

 

ここは付き添ってくれる先生にもよるのであるが協力してもらえそうな感じであれば同僚の先生に書いてもらうことにした。

 

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というのも先生の書くアラビア語の方が綺麗ということもあるが一番は書いてもらってる間に延々とピアノでحان الدرسを弾いていられるからである。

 

こうなると先生が歌詞をホワイトボードに書いている間に生徒はメロディーを覚えられる。

 

ここを自分で歌詞を書くとなるとその後でもう一度歌詞とメロディーの確認をしなくてはいけないので手間が増える。

 

いかに他の先生との信頼関係を築いていけるかというのは非常に大切だ。

 

 

 

そのあとは歌わせる。

子どもというのはやはり水を吸うスポンジの如く物事を覚えていく。

歌詞なんかはすぐに覚える。

 

そのあとはクラスや学年によって変えながら以下のようなことをやってみた。

 

・手拍子をしながら歌う

・指で机を叩きながら歌う

・歌詞を見ないで歌う

・グループに分かれて歌う

・ピアノの左手部分を誰かに弾かせる

・2〜3人オクターブ違いでピアノの左手部分を弾かせる

 

特に最後のピアノの左手部分だけを弾かせるというのは盛り上がった。

 

とにかくみんなやりたがる。

 

先生にも左手部分をお願いしてプチ連弾のようなこともしてみた。

四分音符でファとドを交互にひたすら弾いていくだけなのでそんなに難しくはない。

 

現地の先生が「あ、ピアノ難しくないじゃん、オレでも授業できそうじゃん」って思ってくれたらと切に思うので生徒だけではなく先生に対するアプローチも出来るだけ活動の中に取り入れていきたいと思ってる。

 

 

今後の方向性

ひとまず当面は毎週曲を変えながら出来るだけ多くの曲を歌わせていきたい。

 

一曲のクオリティとか音楽としての質というのも考えたいとは思うけど今の時点ではそこは深く考えずに多くの曲を知ってもらえたらと思う。

 

自身もアラビア語の歌詞を暗記して臨んでいるので自身にとってもいろんな曲に出来るだけ触れていくというのは良いことであるように思える。

 

次週は「きらきら星」を扱おうと思っている。

 

そんなかんじ。