為せば成る、為さねば成らぬ、何事も

ヨルダンのパレスチナ難民キャンプの小学校にて音楽を教えてました。

宮城県の気仙沼でジャムセッションを開催していた話

こんにちは!

 

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思えば2015年の3月に気仙沼にやってきて9月よりジャムセッションを開催していました。

2年半くらい毎月数回のセッションを開いていましたがせっかくなので振り返ってみたり反省してみたりしてみようかと思います。

 

 

きっかけ

気仙沼に来て半年くらい経ったころだったのですが音楽に関してはずっと家だけで弾く日々を過ごしておりました。

気仙沼という街は失礼を承知で言うと田舎でして、セッションをやってる店はおろかスタジオやライブハウスもない土地でした。

 

そこで色々飲み歩いてるうちにベースを弾いている人と出会い、話をしているうちに「セッションやってみっか!」ということになりました。

 

そこで場所を検討したのですが気仙沼の南町にco-ba KESENNUMAというコワーキングスペースを紹介してもらいました。

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なんとシェアオフィスにドラムが置いてある!

そこのマスターである杉浦さんと話をしてco-baの会員となり月に数回セッションを開かせていただく流れとなりました。

 

それからは人づてに「気仙沼でジャムセッションやるってよ!」という話が伝わって人が集まるようになりました。

 

やってたこと

基本的には黒本+aの楽曲をセッションしておりました。

2017年からは初見になってしまうから予めやる曲がわかってる方がいいかなと思いよくやる曲として告知などには以下の曲を提示しておりました。

・Autumn Leaves
・Bag's Groove
・Chameleon
・The Chicken
・Cissy Strut
・Feel like makin' love
・Fly me to the moon
・Isn't she lovely
・Just the two of us
・Sunny
 

これらの曲は会場に譜面を3人分ほど常に置いていくようにしていました。

 

もちろん黒本もみんな持ってくるのでここから『酒とバラの日々』とか『A Night In Tunisia』などもやってました。

 

ジャズ・スタンダード・バイブル ~セッションに役立つ不朽の227曲 (CD付き)

ジャズ・スタンダード・バイブル ~セッションに役立つ不朽の227曲 (CD付き)

 

 

よかったこと

仙台より来たの東北においてはセッションをやってるところは多くないので興味を持って見に来てくれる方が外から来てくれることが多々ありました。

中にはプロの方も足を運んでくれる機会がありました

 

また今まで都内で行っていたセッションなどでは管楽器がいることがほとんどだったためギターでテーマを取る機会もそう多くはなかったのですが管楽器の参加者がほとんどいなかったためテーマを取る機会は多くなりました。

五線譜に前より強くなった気がします。

少しだけね。

 

あとはなんだかんだ言ってセッションをやっていたことで人との繋がりは得られました

気仙沼という身寄りのない土地で生きていくためのコミュニティ形成がセッションによって出来たと思います。

セッションを一緒にやっているメンバーと一緒にライブに出たりすることも出来ました。

またこの活動を本業の高校での部活動とリンクさせることも出来ました。

気仙沼ストリートライブフェスティバル」にも部活動とセッション共に出演させてもらいました。

 

問題点と反省点

・ジャムセッションの敷居が高いのか中々足を運んでもらえなかった。

「セッションって何」っていう人がほとんどでした。

でも、それは都内も一緒か。

 

これは個人的な印象ですが「失敗するのは恥だ」と考えてる人が多い気もします。

だから、場当たり的なセッションは何をやっていいかわからないから参加しない。

そんな印象がありました。

 

あとは外でセッションでライブをやるときとかバンドで紹介されるときは多かったですね。

普段のセッションを「バンドの練習」として紹介されることもありました。

 

セッションというものが行為として浸透してないんだなぁという印象でした。

 

・ぼく自身の演奏能力(魅力)が低かった。

いくら自分がセッションに参加しないとはいえ、魅力的な人が演奏してたら観に行くと思うんですよ。 

仮に近所でマイク・スターンやアレン・ハインズがセッションしてたら自分が演奏に参加できないとしても観に行くでしょう。

少なくともぼくは観に行く。

 

セッションを運営してるぼく自身にその魅力がないので実際はセッションに飢えてる人たちを繋ぎ留められませんでした。

楽器演奏をしない人の関心も繋ぎ止められないですしね。

ここは、演奏家としての自分の課題として今後も持ち越していきたいです。

もちろん演奏だけじゃなく人としての魅力も磨いていきたいです。

 

・お金を出して音楽をする(聴く)ことに地域の人が慣れていない気がした。

これはぼくのセッションに限らず、他のアーティストさんたちがライブをやる状況でもそう思う。

気仙沼ってライブを観るのにお金がかからないことが多いんですよ。

特に被災後はチャリティーライブなどもあったので尚更。

 

もう震災からは5年経っていますのでチャリティーライブの類もほとんど無くなりました。

その後で演奏しに外部からいらっしゃるミュージシャンの方もいらっしゃるのですが集客には苦労が見えます。

 

ぼくのセッションもまたは外部のアーティストさんのライブも無から演奏しているわけではなく様々な経費が掛かっているのである程度のお金を集めることができないと継続は難しい。

 

これは今のぼくの頭では解決方法が思いつきません。

仮想通貨でポンと一山当てれたらなんとかなったのかもしれないですけど…

 

・ぼくがいなくなった後もセッションが続いていく仕組みを作ることが出来なかった。

これはぼく自身いちばんの心残り。

ぼくがいなくなったあともセッションが開かれるという状況を作ることができませんでした。

 

これからもまた色んなところに移住してこういうことをやっていくと思いますが地元の人で続けられることを残していくことが重要だと思っています。

これって地域振興や途上国開発をしている人たちも良く話に挙げることですよね。

 

要因としては「ホストがいない」や「続けられるだけの人を集められていなかった」などあります。

どうやったら良かったのかっていうのはぼくがまだ気仙沼にいるうちは答えが出ない問題で、また比較として他の地域を観た時に浮かび上がってくるものなのかなと思っています。

逃げになりますが。

 

これから

4月からは気仙沼を去り、異国の地に旅立つことになります。

新しい環境となったときに、こういったジャズセッションをすることが出来る環境があるのかどうかはまだわかりません。

また、無かったときは自分から作っていくことをしていきたいと思っています。

 

この気仙沼でやってきた経験をもとにコミュニティ形成を上手くやっていきたいと思っています。

 

それともう一ついつかまた気仙沼にフラっと訪れた時にセッションができるといいなと思っていてそのときにどういう形であるかはわからないけど暖かく受け入れてもらえたらいいなと思っています。 

 

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