為せば成る、為さねば成らぬ、何事も

ヨルダンのパレスチナ難民キャンプの小学校にて音楽を教えています。

夏季におけるWPCでの活動を終えて

こんにちは、こましんです。

夏季は学校が休みとなるため6月12日より8月22日に至るまで難民キャンプ内にあるWoman Program Center(以下WPC)という施設にて活動を行っていました。

およそ2ヶ月という普段の学校での活動に比べると短い期間でしたが非常に密度が高い時間を過ごすことができました。

 

低学年における活動

活動においては6歳〜9歳からの低学年のクラスと9歳〜12歳の高学年のクラスに別れて行っていました。

 

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低学年のクラスにおいては打楽器を用いてリズムパターンを覚えたり、打楽器を叩きながら歌唱を行うというような活動をしていました。

リズムパターンとしては4拍そのまま叩くものから始め、小節の頭だけ叩くパターンや、2・4拍だけ叩くようなパターンも扱いました。

 

基本的にはDAWで楽曲を打ち込んで伴奏として使用していました。

その方がBPMの変化も数値を入れ替えるだけでできます。

後、リズムパターンの説明をする際に2・4拍のリズムであればロック調の曲の「スネアと一緒」という説明をしたり、小節の頭だけ叩くパターンであればクラシック調の曲の「シンバルと一緒」という説明をできました。

もちろん、これは作成時に意図的にやってました。

また、DAWで流すのであればミュートもできるのでドラムの鳴らしたいもの以外はミュートをしてわかりやすくするなどという工夫をしてました。

あとはそれをBluetoothスピーカで流します。

 

最初は苦戦していた子どもたちも自然にリズムを理解し、4分音符のパターンであればだいたい理解したように思われます。

 

 

歌唱においては以下の5曲を扱いました(以下日本におけるタイトル)

・フレール・ジャック(グーチョキパーで何作ろう)

・きらきら星

・王に栄えあれ(ヨルダン国歌)

・かえるの歌

・ぶんぶんぶん

 

特に「かえるの歌」に関しては輪唱を扱いました。

2小節ごとにズレて歌っていくということはリズムを意識しなければいけないし何より他人の音を聴いて始めないといけない。

 

ぼくが一番子どもたちに意識させたかったのは「他人の音を聴く」という点でした。

ヨルダンの子どもたちは日本の子どもたちに比べると自我が強く、他の子を撥ね退けて「私が!」という子が多いです。

もちろん、この自己主張は大事であるけどぼくはこの子どもたちに「協働」という概念を教えたかったのです。

この協働という概念が他の一般科目にはない情操教育として「音楽」という科目で学べるもっとも大切なことだと考えています

 

結果として、発表会の際に多くの保護者の方が観にきてくれたのですがこの試みは印象的であったようです。

こういう試みは今後学校の活動においても続けていきたいと思います。

 

 

高学年における活動 

高学年では鍵盤ハーモニカの演奏を扱いました。 

こちらにおいては楽譜を用意して楽譜を読むところから始めていきました。

楽譜に関してはすぐにスラスラ読めるようになる子と読むのが難しい子に別れてしまったので途中からはあらかじめドレミを記載した楽譜を使いました。

楽譜が読めることは大切なことだとは思うけれどそれで音楽が難しいものになってしまうのはイヤだったからです。

 

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最初はドレミの3音だけを使った自作の練習曲から始め、それを5音、一オクターブと増やしていきました。

5音になると既存の曲もできるようになってくるので5音を超えたあたりからは既存の曲を扱っていきました。

 

こちらのクラスで取り扱った曲は以下の通りです。

・聖者の行進

・メリーさんの羊

・王に栄えあれ

・かえるの歌

 

かえるの歌は低学年と同様の試みをしたかったので輪唱ではないのですが2声の譜面も作りました。

こちらでも他人の音を聴くこと、他人と息を合わせていくことというの重要視しました。

 

 

発表会

2ヶ月の集大成として最後に発表会を行いました。

発表会においてはぼくらの音楽だけでなくWPCで行われてる空手教室の演舞の発表などもありました。

子どもたちは特別なおめかしをしたりドレスをきたりといつもと違う様子でした。

本番もちょっと緊張してたりして見てて非常に初々しかったです。

 

発表会の前日は授業がなく、発表会の2日前が最後の授業になる予定だったのですが子どもたちの要望で前日も練習したいとのことで前日もセンターにて練習しました。

こんなにも力強く前向きに動いていける子どもたちの力にただただ感心するばかりでした。

 

発表会は大盛況に終わり、この2ヶ月非常に良い活動ができたなと思っています。

 

最高のカウンターパート

この活動は自分一人で行った訳ではなくヨルダン人のボランティアの女性と一緒に行っていました。

彼女は非常に熱心でこの活動を通して楽譜の読み方を覚えてくれたり、自分のやりたいことの趣旨を読み取って子どもたちに働きかけてくれたりしました。

終わったあとで「使った楽譜を余ってたらくれないか」ということも言われ喜んで快諾しました。

おそらく彼女はこの活動で行ったことはもう自分一人でできるのかなと思います。

彼女や彼女と志を同じくする人のために助けになるものを作れないだろうかと思い先日音楽教育用のYoutubeチャンネルを作成しました。

 

www.stevekaufmann.xyz

 

こうやって音楽の授業ができる人が増えれば、またそこから波及して音楽の授業を行う人が出てくるかもしれない。

その連鎖を立たないためにも必要なものは何か今後も考えていきます。

 

子どもたちへの教育活動だけでなく現地での技術移転もできた2ヶ月であったなと感じました。

 

 

終わりに

2カ月間楽器の演奏を教えたWPCでの発表会も終了しました。

ちょっと寂しいですが普段の活動先の学校からは徒歩5分もかからない距離にあるので今後もちょくちょく通うと思われます。

まだ決定ではないけど今後も時間を見繕って講座を行おうという話もセンター長としました(音楽に限らず)

 

子どもたちのその手は人を傷つけるのではなく楽器を奏で、その声は誰かを蔑む言葉ではなく歌を紡ぐことが続くことを願って。 

 

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写真は発表会終了後に職員の方からもらったブレスレット。

大切にします。